循環器問題集

この循環器専門試験対策問題集は、専門医試験合格のため、1冊で試験対策ができることを目的とした問題集です。
重要なポイントを研究し、最新のエビデンスに準拠し編纂のうえ、限られた時間で効率よく学習できるよう丁寧に作成しております。

解答では正確性を期して、周辺知識も含め詳しく解説しております。
問題は正解することではなく学習することを目的としているため、わからない設問は時間をかけず解説に進んでください。

ネットならではの利点を生かして、適宜修正やアップデートを行っております。

内容に関してご不明な点や不備等ありましたら、お問い合わせよりご連絡ください。
試験対策としてお役立ていただけましたら幸いです。

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過去の問題集からの変更点

・ 全17テーマ 128問 + 付録 を収録しております。
・ 2024年度試験を含む最新の情報を盛り込み、前年度までの問題を見直し、作成し直しています。
・ 問われやすい分野の問題を新たに追加しました。
・ 昨年度まで問題集を分割しておりましたが、本年度はテーマで整理し、1冊に統合しております。
・ ブックマーク機能に加えて、チェックボックス機能を新しく追加しました。

問題例

各疾患に関して正しいのはどれか、2つ選べ





解答

正解:a, d

a 〇 心筋梗塞発症1年以内の患者に対して、季節性インフルエンザワクチンの接種は推奨される
ランダム化試験のメタ解析で有用性が認められており(PMID 24150467)、推奨されている。
参考:急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版) 

b × DOAC内服中で冠動脈ステント留置術後は、抗血小板薬2剤とDOACの3剤併用療法が最低1か月間推奨される
周術期(2 週間以内)以降はアスピリンを中止し、抗凝固薬とADP受容体を阻害するP2Y12受容体拮抗薬(クロピドグレル等)との 2 剤併用療法を行うことが推奨されている。
参考:
冠動脈疾患患者における抗血栓療法(2020年 フォーカスアップデート版)
不整脈薬物治療ガイドライン(2020年改訂版

c × 不整脈原生右室心筋症ではⅡⅢaVF誘導にε波を認める
ε波は主にV1~V3誘導のQRS波終了直後に出現する。不整脈原生右室心筋症(ARVC)において、ε波は約30%に認められる特異的所見である。
関連問題:日本循環器学会専門医誌 第19巻第2号 2011年9月 問5

d 〇 修正大血管転位では、約 2 % /年で完全房室ブロックを合併する
修正大血管転位は、簡単にいえば右室と左室が入れ変わっており、血液の流れは、「右心房 → 左心室 → 肺動脈 → 肺静脈 → 左心房 → 右心室 → 大動脈」となっている。
合併症としては、VSD(60~80%)、肺動脈狭窄 / 閉鎖(30~50%)、 房室弁(とくに左側三尖弁)の異常(14~56%)を生じ、また経年的に房室ブロック(22%)を生じるため、管理に注意が必要である。

画像
解剖学的左室から出る肺動脈が大動脈の後方にあり、両房室弁に深く楔入しており、肺動脈と僧帽弁との間に線維性連続がある。
これに対して、大動脈は前方に位置し、流出路に漏斗部をもつ。

参考:
成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017年改訂版)
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン (2022年改訂版)

e × 心臓限局性サルコイドーシス疑いの診断においてPET-CTは保険適用である
心サルコイドーシス疑いの診断のために保険でPETを施行するためには、他臓器の組織診断(類上皮細胞肉芽腫が陽性)である必要がある(解説参照)。心臓限局性にサルコイドーシスが疑わしかったとしても、診断で用いることはできない。
また通常の腫瘍評価と異なり、十分な評価のためには18時間以上の絶食が必要である。

解説

循環器疾患でPET-CTが保険適用であるものとその条件

  • 虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断(他の検査で判断のつかない場合に限る)
  • 心サルコイドーシスの診断(心臓以外で類上皮細胞肉芽腫が陽性でサルコイドーシスと診断され、かつ心臓病変を疑う心電図又は心エコー所見を認める場合に限る)、又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる場合
  • 高安動脈炎等の大型血管炎において、他の検査で病変の局在又は活動性の判断のつかない場合

2012年4月より、「心臓サルコイドーシスの炎症部位の診断」としてのPETの利用に対して新たに保険償還が認められ、心臓サルコイドーシスの診断が確定した患者に対して、その病変分布(重症度)を評価する場合に保険適用でPETを施行することが可能となった。

2020年4月より「心サルコイドーシス疑い症例の診断」にも保険適用が認められるようになったが、「心臓以外で類上皮細胞肉芽腫が陽性でサルコイドーシスと診断され、かつ心臓病変を疑う心電図又は心エコー所見を認める場合」に限られている。すなわち、すでに他臓器でサルコイドーシスの組織診断がついていなければいけない点に注意が必要である。

参考:
日本核医学会 FDG PET,PET/CT 診療ガイドライン 2020
・「令和2年3月5日 保医発0305第1号 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」E101-2 ポジトロン断層撮影

サルコイドーシスに関する特定疾患の診断基準の変更

2024年4月より、サルコイドーシスに関する厚労省の特定疾患の診断基準・臨床調査個人票が変更となった。

これまで組織診断が必須であった心臓限局性サルコイドーシスが、臨床所見のみで申請可能となりました。これは「2016年版心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン」で記載されている、心臓サルコイドーシスの臨床診断が、心臓限局性も含めて認められたことになります。

サルコイドーシスに関する厚労省の特定疾患の診断基準・臨床調査個人票変更のお知らせ

問題集の使い方

設問の左にチェックブロックを用意しておりますので、適宜使用ください(正誤の連動はありません)。

各設問に関する丁寧な解説や、その分野の周辺知識の説明、自作のイラスト等を盛り込んでいます。

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